ノミ・ダニ予防薬を始める時期はその地域の気温や環境によって違いはあるものの、基本的には4月から11月が推奨されています。
これはノミ・ダニが活動できる気温と関係があるので、住んでいる地域がいつも暖かければもっと長い期間の予防が必要になり、寒い地域では夏場だけでも良いといことになるからです。
ここでお話しするダニはマダニという寄生虫を指しています。
犬と猫のノミ・ダニ予防薬の開始時期
ノミやマダニが活発に活動できるのが15度以上なので、最高気温が15度を超えてきているなら何月であってもノミやダニの予防が必要ということになります。
特に犬で林や山の中を散歩コースにしている、というケースでは通常ではマダニに感染することのない季節2月や3月でも「顔にダニが付いているようなのですが、、、、」と診察に来ることがあるのです。
山や林、草むらなどはノミやマダニが隠れ潜んでいるリスクが非常に高いので、そういった場所に行く機会の多い犬は通常の予防期間よりも早めに投与を開始した方が良いでしょう。
逆に、ずっと家の中にいて外に出ないという犬や猫であれば、早春の時期からノミ・ダニ予防薬を投与する必要はありません。
<犬と猫のノミダニ予防薬の開始時期>
- 気温が15度を超える日が出てきたら
- 林や草むらを散歩するなら早めに
- 大体の地域は4月か5月
- 暖かい地域では一年中予防が必要
- 寒い地域では6月からということもある
犬と猫のノミ・ダニ予防が大切な理由
一度感染してしまうと、家の中にまでノミやマダニが家庭内に持ち込まれるというのが、心情的には一番に重要かと感じます。
愛猫や愛犬に、ノミやマダニなどの寄生虫がいる、そしてソファや絨毯にもその卵や幼虫がいるかもしれない、と想像するだけで辛い!
気持ちの問題だけでなく、ノミやマダニに吸血されると皮膚炎が起きるのは勿論のこと、怖い感染症を人にも移します。
<ノミ・ダニから移される病気>
- SFTS(重症熱性血小板減少症)
- ライム病
- 日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
- 瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)症
獣医師の本音
早い時期に「ノミダニの予防薬が必要ですか?」と効かれて、林や草むらに行かないワンちゃんであれば、「まだ早いですよ」と答えるのですが、「ノミダニ予防薬を付けた方が良いですか?」と聞かれた時には、「予防薬を付けて置いたほうが安心です」と答えます。
なぜなら、まだ大丈夫と答えて、もしノミダニに感染してしまったら責任の取りようがないからです。
予防薬は安全性が高く副作用もないので、先に投与しておくほうが寄生のリスクを下げられるという判断です。
つまり、予防薬が欲しい雰囲気の患者さんには、あまり必要がない状況でも安全性を優先して予防薬を処方している、ということですね(汗
コメント